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2024.05.13

インタビュー記事を更新しました(ダイドードリンコ株式会社様)

今回は、清涼飲料水販売事業を手掛けるダイドードリンコ株式会社様に、 WELL-BEING CHECK Plus(Webアプリ)をトライアル導入した背景や取り組み後の変化についてお話を伺いました。

ダイドードリンコ株式会社 石原 健一朗 様

導入の背景にはどのような狙いがありましたか?

弊社では以前から、自己内省や自己理解といったセルフマネジメントに関する取り組みを充実させるために、ストレングスファインダーなど様々なアセスメントツールを活用してきました。

そのため、社員たち、特に今回の取り組みを行った人事部メンバーは、セルフマネジメントレベルが、既にある程度高まっている状態にあると思っています。

そんな中で、ウェルビーイング(人それぞれの良い状態・しあわせ)という観点、つまり仕事から少し離れた文脈の中で自己理解を深めるということは、これまであまりできていませんでした。ウェルビーイングに関するアセスメントを取ったことはありませんでしたし、これまでにない新たな切り口から自己内省や自己理解を深められるという意味で、ぜひ試してみたいと思いました。


他にはいかがでしょうか?

ウェルビーイングの観点で自己理解・相互理解が深まることを通じて、部内メンバーの関係性向上を図りたいとも考えていました。特に、関係性があまり良くないメンバーに対するアプローチとして、ウェルビーイングを活用することができないかと考えていました。


関係性向上の効果はいかがでしたか?

WELL-BEING CHECK Plusを活用することによって、自己理解・相互理解が進み、参加メンバー全体の関係性向上は図れたと考えています。一方で、元々関係性が良くなかったメンバーについては、自己理解の促進という点では期待どおりの効果があったものの、お互いに理解し合おうとする意識醸成までは残念ながら至りませんでした。

WELL-BEING CHECK Plusには、しあわせに関する質問への回答をメンバー間でシェアし、相互理解を促進する機能がありますが、今回に関しては「お互いのエピソードや価値観を知りたい」という気持ちが生まれる段階ではなかったのではないかと考えています。これは私の仮説ですが、やはりある程度の関係性が担保されているメンバーに対しては、このWebアプリはものすごくフィットするイメージがありますが、元々ネガティブな状態にある関係性の改善という意味では、なかなか効果を発揮しづらいのかもしれません。

今回の取り組みを通じて、WELL-BEING CHECK Plusの使い方が少し分かってきたので、今後はこの学びを活かしながら、ウェルビーイングを活用した再現性ある関係性向上の流れを設計していきたいと考えています。


導入までの準備で大変だったことはありましたか?

特にありませんでした。導入前のオリエンテーションで、WELL-BEING CHECK Plusの機能や活用方法、研修全体の流れについて丁寧にレクチャーをしていただきましたので、運営側もユーザー側も問題なく始めることができました。

人事総務部 人財開発グループ 石原 健一朗 様

WELL-BEING CHECK Plusで特に印象に残っていることは何ですか?

例えば、1日の終わりに簡単な日記を書くイメージで、その日のウェルビーイングを記録する流れ(しあわせ記録)を習慣化していくと、生活の中の色々な場面で、「今日はこれを記録できるな」というように、自分にとっての良い状態やしあわせを見つける力が養われていきました。同様の感覚をメンバーも感じていたようで、この点に関する皆の反応は非常に良かったです。「仕事や日常の中で自分のウェルビーイングを実感することが増えた」という意見も多く見られました。

もちろん、記録するためにネタ探しをしにいくような側面もありますが、過去に遡って探すことで、「そういえば昨日もあったな」とか、「似ている出来事だけど文脈が違うな」といった視点から、自己内省ができるというのは良い経験だったと思います。


「WELL-BEING CHECK Plusのここがお気に入り」というのがあれば教えてください

私が1番好きだったのは、自分が記録したウェルビーイングエピソードの内容に応じて、4つの要素のバランスが変化していくという仕組みです。

これまでの自分の記録データが可視化されますし、やはり小さいままの要素があると大きさを揃えたくなりました(笑)。個人的には、D要素の「在るしあわせ」が大きくなるというのが、当たり前のように存在しているしあわせに気づけるようになっている感じがあって、さらにもっともっとそこに気づけるようになりたいと思うようになりました。これは自分の中ではかなりのパラダイムシフトでした。正直なところ最初は、「在るしあわせって…何?」と思っていて、自分にはよく理解できないなと感じていました(笑)。

ところが、私的な話になりますが、私は今、受験を控えた子どもの勉強をサポートしていて、親としても結構点数等が気になるところです。もちろん、点数が取れて子どもが喜んでいる姿はこちらも嬉しいですし、そこからさらに成長するために何ができるかを子どもと一緒に模索していくということにも楽しさはあります。けれど、WELL-BEING CHECK Plusを使うようになって、D要素の「在るしあわせ」に対する理解が深まってきていたので、当たり前のように存在している「子どもと勉強できている時間」そのものを、純粋にしあわせだと思えるようになったんです。それが、自分にとってのウェルビーイングの一つだと気づけるようになりました。そんな気づきを与えてくれた4つの要素のバランス表示が、私にとってのお気に入りの機能・仕組みです。


ウェルビーイングの実感が増えることによる、仕事上の影響について教えてください

私自身も取り組んでみて感じたのは、他のメンバーがシェアするウェルビーイングエピソードを見ることができるので、「この前の書き込み、あれすごく共感した!」といったように、「対話」が生まれるきっかけになりますよね。お互いにウェルビーイングの気づきを増やすための情報収集の機会にもなっていると思いますので、これはおそらく誰でも分かりやすく、仕事のパフォーマンスやモチベーション、エンゲージメント等にポジティブな効果があるのではないかと思います。

また、仕事では色々なストレスがかかったり、しんどくなったりする場面があると思いますが、私の場合は、当たり前にある、気づけていなかったしあわせの視点が養われていったおかげで、大変な状況ともうまく付き合えるようになった気がします。「在るしあわせ」に対する感度が上がったことで、すでにできていることとか、在り続けていることとか、ちょっと困った時に助けてくれる存在がいることとか、何気ないことに対するありがたみを実感する場面が増えました。そのような「捉え方の変化」が、仕事へのエネルギーにつながっていくのではないかと感じました。


ウェルビーイングに関するこれからの御社の取り組みについて教えてください

弊社では「自律型プロフェッショナル人材」を理想の人物像として掲げています。この言葉には、「自らのキャリア開発を主導する」という思想が込められていて、個々の専門性とプロ意識の向上を通じてその実現を目指しています。そのために、今回、人的資本経営における人財戦略の一貫として、新たに「DYDO キャリア・クリエイト」というコンセプトを構築し、その実現を目指すための施策等を整理しました。

これに基づき、これからは管理職と部下間のキャリア開発を深める面談や対話の機会を増やしていく方針です。ただし、面談や対話を通じてキャリア開発を促進するためには、管理職と部下、お互いの関係性が非常に重要になると考えています。その関係性を支える鍵が、ウェルビーイングにあると思っています。

ウェルビーイングの切り口から、ざっくばらんにお互いのことをより深く知り合い、その流れの中で、キャリア開発のための面談や対話を進める。一見遠回りのように思えますが、この流れこそが「自らのキャリア開発を主導する」ことに繋がる本質的な仕組みになるのではないかと考えています。そういう意味でも、「ウェルビーイングを意識した自律型プロフェッショナル人材の育成」、ここにこだわって今後の取り組みを進めていきたいと思っています。


(インタビューは2024年4月18日に実施しました)